問50 2020年9月学科
問50 問題文択一問題
不動産の有効活用の手法の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.建設協力金方式は、土地所有者が利用予定のテナントから資金を借り入れて建物を建設し、テナントからの賃貸料で借入金を返済するため、自己資金が少なくても賃貸事業を行うことができる。
2.定期借地権方式では、土地所有者は土地を一定期間貸し付けることによる地代収入を得ることができ、当該土地上に建設される建物の建設資金を調達する必要はない。
3.事業受託方式は、土地の有効活用の企画、建設会社の選定や当該土地上に建設された建物の管理・運営等をデベロッパーに任せ、建設資金の調達や返済は土地所有者が行う方式である。
4.等価交換方式における部分譲渡方式は、土地所有者がいったん土地の全部をデベロッパーに譲渡し、その対価をもってその土地上にデベロッパーが建設した建物およびその土地の一部を譲り受ける譲渡方式である。
問50 解答・解説
土地の有効活用方法に関する問題です。
1.は、適切。建設協力金方式とは、建物は土地所有者が建設し、その建物に入居予定のテナント等から貸与された保証金や建設協力金を、建設資金の全部または一部に充当して建物を建設する事業方式です。
貸与された保証金や建設協力金についてはテナントからの賃貸料で返済していくため、少ない資金負担で賃貸事業の実施が可能で、郊外のロードサイドの店舗などでよく利用されます。
2.は、適切。定期借地権方式とは、土地に定期借地権を設定し、他者に土地を貸すことで有効活用する方法です(土地上の建物の所有名義は借地権者)。
資金負担無しで権利を維持できますが、一般に地代収入は他の方式による収益よりも低いです。
3.は、適切。事業受託方式とは、土地の権利者が自分で資金調達し、マンション等の建設・管理・運営といった事業のいっさいをデベロッパーに任せる方法です。
権利をそのまま維持でき、業務負担もありませんが、資金負担は大きいです。
4.は、不適切。等価交換方式には、全部譲渡方式と部分譲渡方式があります。
●全部譲渡方式:いったんデベロッパーに土地全部を譲渡し、出資割合に応じた土地付き建物を取得。
●部分譲渡方式:デベロッパーが建物建設後、土地との交換で取得する建物の対価に相当する土地の持ち分のみ、デベロッパーに譲渡。
よって正解は、4.
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