問50 2019年5月学科
問50 問題文択一問題
不動産の投資判断手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引いて、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。
2.IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、対象不動産に対する投資家の期待収益率が対象不動産の内部収益率を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
3.借入金併用型投資では、投資収益率が借入金の金利を上回っている場合には、レバレッジ効果により自己資金に対する投資収益率の向上が期待できる。
4.NOI利回りは、対象不動産から得られる年間純収益を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。
問50 解答・解説
不動産の投資判断手法に関する問題です。
1.は、適切。収益還元法のうちDCF法は、保有期間に発生する純収益(家賃等)と復帰価格(将来の転売価格)を、現在価値に割り引いて合計することによって、対象不動産の収益価格を求める方法です。
(DCF法=Discounted Cash Flow 法の略)
2.は、不適切。IRR法(内部収益率法)は、不動産投資の内部収益率と投資家の期待する収益率(期待収益率)とを比較して、投資の適否を判定する方法です。
期待収益率が内部収益率より高いと、その投資は不利だと判定し、逆に内部収益率が期待収益率を上回っているなら、その投資は有利だと判定します。
3.は、適切。レバレッジ効果とは、借入金を追加することで自己資金に対する投資利回りを上昇させる効果ですが、投資を行う際に投資利益率が借入金の利率よりも上回っている場合に有効です。
借金して投資する場合、投資がうまくいけば、借金すればするほど(レバレッジを上げるほど)、利益が大きくなるわけです(投資に失敗したときのリスクもまた大きいですが)。
4.は、適切。NOI利回り(純利回り)とは、不動産投資の収益性を評価するための基本的な評価で、ネット利回りやキャップレートともいわれます。
収益不動産における純収益(賃貸収入−諸経費)を、所有地の時価評価を含めた総投資額で割り、100をかけたものが純利回りです。
よって正解は、2.
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