問54 2018年5月学科
問54 問題文択一問題
法定後見制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.法定後見制度には、精神上の障害による本人の判断能力の程度によって、後見、保佐および補助の3種類の類型がある。
2.後見の開始の審判の申立てができる者は、本人、その配偶者またはその4親等内の親族に限られる。
3.成年後見人となるためには、弁護士や司法書士など一定の資格を有していなければならない。
4.成年後見人は、成年被後見人が行ったすべての行為について、取り消すことができる。
問54 解答・解説
成年後見制度に関する問題です。
1.は、適切。成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度の2つがあり、法定後見制度では判断能力の低下の程度順に、「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれています(後見が一番判断能力が低い)。
2.は、不適切。判断能力が低下した場合、本人、配偶者、4親等内の親族等の申立権者が家庭裁判所に対して、後見、保佐または補助開始の審判を申し立てることが可能です(親族のほか、後見人や保佐人・補助人、その監督人、検察官等も申立人として審判請求可能です)。
3.は、不適切。成年後見人には特別な資格は不要ですので、一般的には親族がなることも多いです(財産管理は親族、法的手続きは弁護士や司法書士、社会福祉法人が行う複数後見も可能です。)。
4.は、不適切。法定後見制度における成年後見人は、被後見人本人が行った不利益な法律行為を、後から取り消すことができます(日用品(食料品・衣料品等)の購入など「日常生活に関する行為」は、取消しの対象外)。
よって正解は、1.
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