問17 2018年5月学科
問17 問題文択一問題
契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.すべての従業員を被保険者とする普通傷害保険の月払保険料は、支払った保険料の全額を損金に算入する。
2.法人が所有する業務用自動車が事故で全損したことにより受け取った自動車保険の車両保険金で同一年度内に代替の車両を取得した場合、所定の要件に基づき圧縮記帳が認められる。
3.業務中の事故で従業員が死亡し、普通傷害保険の死亡保険金を従業員の遺族が保険会社から受け取った場合、法人は死亡保険金相当額を死亡退職金として損金に算入する。
4.積立火災保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、受け取った全額を益金に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金に算入する。
問17 解答・解説
法人の損害保険の経理処理に関する問題です。
1.は、適切。被保険者=全従業員とする普通傷害保険では、支払保険料の全額を支払った事業年度で、福利厚生費として損金算入できます。
2.は、適切。圧縮記帳の対象は、固定資産の滅失・損壊に対して保険金を受け取り、同一事業年度内に代替資産を取得した場合です。
圧縮記帳することで、受け取った保険金への課税を将来に繰り延べることができます。
3.は、不適切。従業員が死亡し、傷害保険の死亡保険金を従業員の遺族が受け取った場合、みなし相続財産として相続税の課税対象となりますが、法人は保険金を受け取らないため経理処理は不要です。
4.は、適切。通常の損害保険は満期になっても返戻金がない掛け捨てタイプですが、積立型の損害保険は満期時に満期返戻金が受け取れる貯蓄タイプの保険です。
従って、保険料支払い時は、支払った保険料のうち積立部分は資産計上し、補償部分は損金算入する経理処理となります。 また、満期保険金と契約者配当金の受取時は、受け取った全額を益金に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金算入します。
よって正解は、3.
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