問4 2015年5月実技個人資産相談業務
問4 問題文
Mさんは,Aさんに対して,Aさんが社債Xを購入する場合の留意点等について説明した。Mさんの,Aさんに対する説明に関する次の記述(1)〜(3)について,適切なものには○印を,不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1) 「社債Xの利子の支払を受ける際には,原則として,所得税および復興特別所得税,住民税の合計で20.315%の税率による源泉徴収(特別徴収)が行われます」
(2) 「社債Xは,原則として償還時に額面金額で償還されます。社債Xを額面100円当たり100.50円で購入した場合の単利最終利回りは,表面利率を下回りますのでご注意ください」
(3) 「社債Xの価格は市場金利の情勢により変動することがあります。この債券価格の変動幅は,残存期間の短い債券ほど大きくなる傾向がありますので,売却も検討されている場合はこの点もご注意ください」
問4 解答・解説
債券の税務・利回り・価格変動に関する問題です。
(1) は、○。国内利付債の利子は、所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%が源泉徴収(特別徴収)されます。
(2) は、○。最終利回りとは、既発債を償還期限まで保有していた場合の利回りですが、
単利の利回りの計算式は、
利回り(%)=(1年間の収益合計/投資金額)×100です。
※1年間の収益=1年分の利子+1年当たりの差益
1年分の利子 :額面100円×1.0%=1.0円
1年当たりの差益:(償還価格100.00円−購入価格100.50円)/所有期間2年=−0.25円
1年間の収益合計:利子1.0円+差益−0.25円=0.75円
利回り(%)=(収益合計0.75円/投資金額100.50円)×100=0.746≒0.74%(小数点以下第3位四捨五入)
従って、最終利回りでは表面利率1%を下回ることになります。
(3) は、×。残存期間が長い債券は、残存期間が短い債券よりも、償還時までに金利変動の影響を受ける期間が長いため、金利変動に対する価格変動幅が大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格は残存期間の長さ(残存期間中に受け取る利子)と市場金利(同期間中に市場金利で受け取る利子)によって決まります。例えば、残存期間1年と10年の債券では、当然10年の債券の方が価格が高いです。ここで、1%の市場金利の変動があると、残存期間1年の債券にとっては金利の影響を受けるのは今後1年だけですから、大した変動ではありませんが、10年の債券にとっては今後10年間受け取る利子のオトク度に影響する変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、残存期間の長い債券の方が、残存期間中に受け取る利子に対して、同期間中に市場金利で受け取る利子の差が大きく、価格変動幅も大きいといえます。
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