問21 2015年1月実技資産設計提案業務
問21 問題文
大下さんは、各相続人の納付税額を計算する際の「配偶者に対する相続税額の軽減」について、FPで税理士でもある有馬さんに質問した。下記の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
大下さん:「配偶者については、相続税を軽くする規定があると聞きました。」
有馬さん:「配偶者に対する相続税額の軽減ですね。被相続人が死亡した後の配偶者の生活への配慮などからこの規定が設けられています。」
大下さん:「対象となる配偶者との婚姻期間の制限はあるのでしょうか。」
有馬さん:「被相続人と配偶者との( ア )。」
大下さん:「どのくらい相続税額が軽減されるのでしょうか。」
有馬さん:「被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、( イ )または配偶者の法定相続分相当額のどちらか大きい金額までであれば、配偶者には相続税がかかりません。」
大下さん:「相続税の申告期限までに配偶者に分割されていない財産も税額軽減の対象になりますか。」
有馬さん:「申告期限までに分割されていない財産については、軽減の対象になりません。ただし、所定の届出を行ったうえで申告期限から( ウ )以内に分割された場合は、税額軽減の対象になります。」
1.(ア)婚姻期間の制限はありません (イ)2,110万円 (ウ)10ヵ月
2.(ア)婚姻期間の制限はありません (イ)1億6,000万円 (ウ)3年
3.(ア)婚姻期間が20年以上あることが必要です (イ)2,110万円 (ウ)3年
4.(ア)婚姻期間が20年以上あることが必要です (イ)1億6,000万円 (ウ)10ヵ月
問21 解答・解説
相続税の配偶者控除(配偶者に対する相続税額の軽減)に関する問題です。
「配偶者に対する相続税額の軽減(相続税の配偶者控除)」は、被相続人の配偶者が財産を取得した場合に、法定相続分相当額、または1億6,000万円のいずれか高い方までは、相続税がゼロになる特例ですが、婚姻期間による制限はありません。
配偶者の相続税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されるため、相続税の申告期限までに配偶者に分割されていない財産は税額軽減の対象になりません。
ただし、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して申告期限から3年以内に分割した場合や、やむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けて、その事情がなくなった日の翌日から4か月以内に分割された場合には、税額軽減の対象になります。
よって正解は、2.(ア)婚姻期間の制限はありません (イ)1億6,000万円 (ウ)3年
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